そういやずっと忘れてたよ
ひとはゆっくりと進行していることに気づかないんだった。
振り返ってみれば、今とは確実に違った過去があったのに。
なんで今思い出したんだろう…
◆
幼少の頃の俺は
もっと「内に秘めた闘志」や
「そんな楽しそうなことがあるんなら 是非とも俺がやってやる」って思いながら
虎視眈々と面白さをすかさず捉えようとする
ギョロついた目で
周辺の情報を追っていた。
いつも臨戦態勢だった。
(絵画教室に通っていた)
そのエネルギーはとうとう行く先を失い
志すも何も
社会が敵になった。
一方的に攻撃されるだけで
敵地に入っていけなくなったんだ。
なぜだか。.
面白いと思うことに飛び込んでは、みんなを魅了していたかった。あっと驚くようなことをするためにずっと頭を使っていたかった。
でもその延長に労働環境のイメージは ついぞ立ち現れることはなかった。
気づいたら家の中に追い込まれていただけだった。
楽しいことだって、この手の中に…
「"滲み出る何か"を掴んでいた感触」 だってあった、あったはずなのに…
僕の同級生は もう就活だろうか
溢れ出るエネルギーで予想もしない毎日を過ごせているかい?(窓から語りかけるようにしつつ、上を見上げて、カメラは上空にPAN)